60年代の習い事(年金フル世代の子供の頃)

年金フル受給世代が子供の頃の習い事といえば、学習塾は別としてソロバン塾なんていうのもあったが、60年代とはいえ多少裕福な家ではピアノのお稽古、っていうのがメジャーだった。まあ、音楽系はどちらかと言えば女の子が多かったのは、今でもそうだけど音楽=女子みたいな感覚があるからだろう。理由はたぶん男子が音楽やっても将来飯が食えない、という事だと思う。

現代の状況をみるとピアノ以外にはエレクトーンというのも結構聞くが、はて60年代にエレクトーンってあったのだろうか?実は同年代の友人が結婚した時に、その新妻がピアノとエレクトーンを持ってきて、狭い新婚のアパートにデカイ楽器が2台もドカーンと居座っていたのを思い出した。ただしピアノは小さい頃から習っていたけれど、エレクトーンは高校ぐらいになってから始めたそうだから、70年代に近かったのだろう。そこでエレクトーンの簡単な歴史を調べてみたら、市販第一号は1959年に発売された D-1 という機種で、価格は自家用車一台分くらいだった事から個人の習い事というよりもレコード会社やクラブ、サロン、ホテルなどの社交場が主だったようだ。

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しかし1960年代も後半になると一般家庭でも購入するようになったのは、ヤマハ音楽教室でのレッスンが始まった事と日本楽器自体が月賦販売を始めた事などが影響したようだ。

ところでこのエレクトーンという楽器は、実はハモンドオルガンを電子化したものを開発する事が目的だったのだが、結局ハモンドの音は再現できなくて、その後独自の方向に進んで行ったのだった。実はエレクトーンの2段鍵盤とペダル鍵盤を組み合わせた方式は、ハモンドの伝統を引き継いでいるのだった。

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因みにハモンドは1930年代に製品化されたもので、音源としてはトーンホイールという歯車を音階の分だけズラリと並べて、これをモーターで駆動する為に大きいは重いは、という代物だった。そのトーンホイールに電気式のピックアップを並べて、歯車の歯に対する波形(正弦波)を発生するというメカメカしいもので、既に60年代ではこれを作れる職人が少なくなって製品自体が成り立たなくなりつつあった。そこで多くの楽器メーカーが電子式で再現する事にチャレンジしたが、本家のハモンドも含めてどこも達成は出来なかった。

ところで、現在はハモンドのトーンホイール方式がデジタルで再現され、その部分以外は昔ながらのアナログ方式で再現されたモデルが発売されていて、この音はほぼオリジナルと変わらない。このハモンドについては個人的にも思い入れがあるので、項を改めて取り上げる事にする。

最初はハモンドの代替え品から出発したエレクトーンは、今ではデジタル技術をフルに応用することで、殆ど1人オーケストラのような演奏が出来る独特な楽器に進化していた。下の動画は最近世界的に人気の日本人天才美少女のエレクトーン演奏で、いや全く1人でこれを弾きこなす技術も大したものだけど、楽器自体もどうなってんだ? というくらいに色んな音が出るのに唖然とする。

 

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