60年代のカメラ2(年金フル世代の子供の頃)
7月 17, 2018前回は小学生の遠足用カメラとして、フジペットが使われ始めたという話を書いたが、今回はもう少し後、すなわち60年代後半の中・高校生時代のカメラの流行りについて纏めてみる。
60年代末では年金フル世代も中学~高校生くらいになっていて、小学校の遠足ならフジペットでも高校生ともなればもう少しレベルの高いカメラを持っている生徒もいるようになった。そして60年代末期の高級カメラと言えば一眼レフであり、しかもこのタイプは日本がダントツ一位の座を占めていた。
という事で、当時の一眼レフと言えばペンタックスとニコンが二大勢力であった。ペンタックスは1957年に発売されたAPが、その後の一眼レフの特徴であるペンタプリズムを使ったアイレベルのファインダー方式の基本を作ったカメラと言っても良いだろう。ペンタックスは翌年には普及型のS2 、絞り機構を完全自動化したS3(1961年)、その後継機のSVと数々のヒット商品を発売していた。
そしてペンタックスが一眼レフとして世界的にベストセラーとなったのが1964年発売のSPで、これはTTL露出計内蔵という大きな特徴を持っていて、これにより特別な経験を積んだプロで無くとも適正露出の写真が撮れるという点で画期的だった。更にペンタックスは一眼レフとしては小型軽量で価格も機能の割には安価だった事と、多くの交換レンズ群やアクセサリーも豊富だったから、高級アマチュアの定番となってた。
そう言えば、高校1年の夏に林間学校というのがあって、この時に同級生が持っていたのがペンタックス SP だった覚えがある。勿論本人のものではなく、父親が買ったもののようだったが、当時の高校生としては充分なものだった。因みにこの私はといえば、一眼レフでは無くてレンズ交換式レンジファインダーのキャノン7という父親のお下がりを持って行ったが、実はキャノンは当時一眼レフではイマイチ出遅れていて、その最大の理由にはこのキャノン7があった事も原因だろう。更に中型のレンジファインダー機としてベストセラーとなったキャノネットの存在もあったが、これらについては項を改めで取り上げる事にする。
さて当時の一眼レフのもう一つの代表機種であるニコンFだが、こちらはペンタックスと比べるとより大きく重く高価だったが、ヘビーデューティーな事から報道関係のプロの間で絶対的な評価をされていた。ニコンFの出現で、それまで定番だったスピグラと呼ばれた携帯用の大型カメラ (スピードグラフィック) に比べて機動力が大幅に増す事になった。
ペンタックスはS2を所有しておりましたので、セコニックの露出計を愛用しておりました^^
成る程、S2までは露出計と連動しなかったので単体露出計を持って歩いたんですね。次のS3ではアクセサリーシューに付けてシャッターダイヤルとも連動する専用露出計が別売りされてたと思います。そしてSPではTTL内蔵と、短期間に大きく進化して行ったのは日本人全体の勢いがあったからでしょうか。それに比べて、今は‥‥。