60年代のテープレコーダー4(年金フル世代の学生時代)

70年代に入ってテープレコーダーの世界で劇的な変化といえばコンパクトカセット(以下カセット)の登場だろう。これはオランダのフィリップス社が1962年開発したもので、従来のオープンリールのテ-プ装着の煩雑さを排除して、カセットを入れるだけという操作の簡略化に加えコンパクトなサイズによりその後家庭用としては一世を風靡した。実は当初には他にもカセットの規格がいくつかあったが、フォリップスは1965年に基本特許を無償公開した事で世界的に普及する事となった。
それで実際にカセットレコーダーが商品として出回ったのは1965年にアイワから発売された TP-707P が日本初のカセットテープレコーダーだった。

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アイワはカセットの開発に関してはこの後も国内の先頭を走っていて、1968年には国産初のラジオ受信機と一体となったカセットレープレコーダー、要するにラジカセの本家と言えるTPR-101 (25,900円) 、そして1969年末にはこれまた国産初のステレオカセットデッキTP-1009(29,800円)を発売している。

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しかしアイワは上記のTP-1009を発売した1969年にソニーのグループ企業となり、2002年にはソニーに吸収合併されて、ここからはソニーの1ブランドとなったが、それも2008年に終了しアイワブランドは消滅してしまった。しかし2015年に日本の企業がアイワの商標使用権を取得し、新生アイワ㈱が設立され現在順次ラインナップを拡大中とのことだ。

ところで、このカセットレコーダーの性能はといえば、本来の用途が会議記録等で音楽用途を想定されていなかった事もあり、音質的にはかなり劣っていた。それでもカセットの本領を発揮したのはステレオ化されてドルビーノイズリダクション装備のオーディオ用デッキやカーステレオに使われる70年代に入ってからだった。

そのカーステレオは60年代後半のカセットと同時代に8トラック式のカートリッジが開発され、当初のカーステレオといえばこの8トラックの事を差していた。8トックカートリッジは1/4インチ磁気テープをエンドレスにして、ステレオ4トラックとして使用するものだった。しかしテープ速度は9.5cm/secと遅く、回転むらも多くて、とてもではないがオープンリールには敵わなかったが、車載用としての取り扱いの容易さと4トラックあるので曲の切り替えが用意だった事などのメリットもある事はあった。とはいえ初めてパイオニアの8トラックカーステレオを聞いた時はガッカリしたのを覚えている。

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