60年代のオーディオ2(年金フル世代の子供の頃)

前回の「60年代のオーディオ」ではアンサンブル型およびセパレート型を取り上げたが、今回はコンポーネントタイプに話しを移す事にする。コンポーネントタイプはレコードプレヤ―・アンプ・スピーカー等をユーザーが其々好みのメーカーの機種を選び、組み合せる事でシステムを組み上がる方法で、60年代では余程のマニアしか手を出さないものだった。

それで今回はシステムの中心となるアンプについて纏めてみる。先ずアンプと言っても大きく分けて3種類あり、一つはFMチューナーとプリ&メインアンプを一体化したレシーバーと呼ばれるもので、コンポーネントタイプとしては入門用という位置付となる。それで当時メジャーだった一つに山水電気のSAX-300があり、これは1965年発売で価格は49,500円、真空管(3極管) を使用して出力は12Wx2だった。もう一つは2年程後の1967年にトリオより発売されたTW-510でこれは当時としては他社に先駆けてオールトランジスター化を実施したものだった。

なお山水 SANSUIもトリオ TRIOも当時の代表的なオーディオ専門メーカーだったが、現在山水は消滅し、トリオはケンウッド KENWOODと名称を変えた後日本ビクターと合併し、今ではJVCの一ブランドとして名前だけが残っている。

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レシーバーに対してチューナーを取り除いたものがプリメインアンプで、レコードには低音を落として録音してあるので、プレーヤーからの出力を受けて周波数特性を元に戻すイコライザーや、テープデッキからの入力や録音用に出力を出したり、また周波数特性を補正するトーンコントロールなどを備えたプリアンプ、そしてスピーカーを駆動するためのメインアンプ(別名パワーアンプ) を一体化したもので、中級品に多いタイプだった。このタイプで有名なのはサンスイ AU-777 (1967年 30x2W 57,000円) とラックスSQ505 (1968年 30Wx2 58,000円) で、ラックスは当時マニアに人気のあったアンプの専門メーカーだったが、紆余曲折の後に現在でもラックスマン㈱として存続している。
実はこのSQ505は当時高校生だった私が夏休みに必死でバイトして買ったアンプそのものだったから、ハッキリ言って懐かしい。

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他に当時のプリメインアンプとして有名だったのは同じラックスのSQ38F (1968年 30Wx2 78,000円)で、これは敢えて3極管を使用して真空管アンプ独特の良さを追求したもので、取り分けクラシック系(特に室内楽などの小編成) の音楽マニアには定番化していた。当時この機種では無く前述のように同じラックスながらSQ505を選んだのは予算が無かった事もあるが、音質的にトランジスターの方を好んだ事もある。そしてもう一つ、当時のプリメインアンプとしては最高級だったのがソニー TA-1120 (1965年 60Wx2 88,000円)で、1967年には改良型のTA-1120Aへと進化したが、価格もアップして96,000円という高価なものとなった。

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実はこのTA-1120Aは高校の音楽室に設置されていたもので、この装置については既に「60年代のテープレコーダー2」で述べているが、実は文化祭のイベントに自身のSQ505も持ち込んで切り替え視聴したが、TA-1120Aはクリアーでは有るけれど硬さが目立ち、対するSQ505は真空管的な柔らかさを持つ音づくりで、この辺が両社のポリシーの違いを端的に表わしていて、ラックス製アンプが当時のマニアに高く評価されていたのも納得出来る。

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