70年代のテープレコーダー(年金フル世代の学生時代)

前回は「60年代のテープレコーダー4」でカセットレコーダーの台頭を取り上げたが、元来このコンパクトカセットというのは会議のメモ用などの用途として開発されたもので、まさかオーディオ用に使用するとは思わなかったが、70年代以降は急速な高性能化により、70年代中期から1990年くらいまではオーディオソースの代表となるまでに進化した。

オーディオに使えそうなカセットデッキとして最初に発売されたのは恐らく1968年のティアック A-20 であろう。価格は発売時で35,000だからカセットレコーダーとしては高価だが、オーディオ用テープデッキとしては安価だった。この A-20 は 1971年には改良されて A-21 に発展した。

この頃カセットデッキの世界では画期的な進化がもたらされたが、それがドルビーシステムで、本来は業務用の規格で非常に高価だったドルビーシステムを簡略化して、民生用オーディオ機器でも使えるようにしたもので、カセット方式のダイナミックレンジの狭さを補う事での高音質が可能となった。そのドルビー搭載のSONY TC-2150SD が1972年に43,800円で発売され、これを見てオーディオ用のサブとしてカセットデッキを欲しいと思っていたので、早速この TC-2150SD 購入すべく秋葉原の馴染みのオーディオ店に行ったのだが、そこでこれまた馴染みの店員が音質的にTEAC A-21 の方が絶対に良いと強く薦めた事から、それを信用して A-21 を購入した。定価は44,800円で TC-2150SD とほぼ同じで、値引きを考えるとむしろ安いくらいだった。

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さて自宅に持って帰って、心ワクワクの第一声は‥‥所詮カセットであり、当時メインにしていた4トラックオープンリールの TEAC 4010 とは比べるべくも無く、これは明らかに失敗だった。しかもその少し後 (1972年)に価格は倍近いとはいえこれぞ高性能カセットデッキとも言うべき TEAC A-450 (79,800円) が発売されたのだった。

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この当時の技術の進歩は速く、1977年には高性能カセットデッキでしかも価格が52,800円のSONY TC-K5 が発売され、その後は各社がこの手の高性能カセットデッキを、それもみな同じ価格で発売して、通称「ゴーニッパ」のデッキと言われていた。

結局 A-21 は早めに売却して、これがトラウマになりその後は2度とカセットデッキに手を出す事は無かった。

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