60年代のオーディオ4(年金フル世代の子供の頃)

前回60年代のオーディオ3ではアナログディスク、要するにレコードについて纏めたが、今回はそのレコードを再生する装置、すなわちレコードプレヤーを取り上げる事する。

60年代初めには全てが一体になったアンサンブルステレオだった事は60年代のオーディオで述べたが、これらに付いているレコードプレヤーはハッキリ言って可也安モノだった。レコードを載せるターンテーブルは25cmくらいで、30cmLPを載せるとはみ出してしまうし、音を拾う部分であるピックアップも安モノだし、SP盤の再生を考えてLPとSPをレバーを使ってメカ的に切り替えるモノも多かった。レコードから振動を拾う為の針は安価なサファイヤ針と高価なダイヤモンド針があったりした。

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ところが、マニアが購入するコンポーネントタイプでは当然ながらレコードプレヤーも自分で好きなモノを購入してアンプに接続する事になり、そのプレヤーも各バーツをバラバラに買ってきて組み立てるのが主流だった。写真左下にプレヤーの構成を示すが、大きく分けて(1)ターンテーブル (2)トーンアーム (3)シェル(カートリッジ)から成っている。シェルはワンタッチでアームから取り外す事が出来て、その構成は写真右下にて(A)シェル (B)カートリッジ (C)針 (D)取り付け部分(コネクタ)から成っている。

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ターンテーブルは専門のOEMメーカー製のものが単体で販売されていたが、勿論全て30㎝ の立派なものだが、この駆動方式は一般に廉価版がリムドライブで高級品がベルトドライブだった。リムドライブというのはターンテール外周を内側からモーターの回転を伝えるアイドラーとう外周がゴムの円盤を押し当て駆動するもので実際の製品ではCEC(中央電気)製が定番だった。

ベルトドライブはモーター軸とテーブル外周に直接ベルトを掛けて駆動する方式でリムドライブよりも回転が安定していると言われていた。これも定番製品があって TEAC の関連会社の東京電気音響製が主流だった。なお両方式の模式図は下記のサイトが判り易い。
https://www.phileweb.com/review/column/image.php?id=475&row=2

次のトーンアームはカートリッジをレコードの溝に追従して外周から内周にスムースに動かすモノで、これも専門メーカーがあった。基本的な構造はどのメーカーも同じで後端にバランスウェイトを持ちこれを動かして針先の圧力(針圧)を調整するようになっている。アームは内周側に引っ張られるインサイドフォースという力が発生する為に、機種によってはこれをキャンセルする機構が付いているものもあった。中でもSME製のアームはその複雑な機構によるメカメカしい外観や、アームの軸にベアリングではなくナイフエッジを使うという独特な機構から当時のマニアの憧れだった。

そしてカートリッジはMM型とMC型があり、MM型は比較的安価なのが多かったが、勿論高級品もあり、当時シューアー V-15 というカートリッジはマニアの定番だった。対するMC型はオルトフォンSUPが定番だったが、MC型の場合は出力が極めて低いためにプリアンプの前にヘッドアンプもしくはトランスを通す必要があり、しかもオルトフォンは針交換が出来ない為に、針が減ったら全部買い換えという面でも使い辛いものだった。

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またターンテーブルとトーンアームを組み込む為のケースも別に用意する必要があり、これらは当時秋葉原の専門店でオリジナルのケースを売っていた。特にアームを2本付けられるタイプは人気があり、マニアは2つのアームにそれぞれ異なるカートリッジを付けてジャズ用とクラシック用とか、シンフォニーと室内楽用等と使い分けている事が多かった。まあハッキリ言って病気だが。

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