60年前後の白物家電(年金フル世代の子供の頃)
11月 12, 2018白物家電とは『家庭内の家事の労力を減らしたり、あるいは生活に密着した家電製品の一般名称 (wikipede)』だそうで、直ぐに誰でも思い付くのは冷蔵庫と洗濯機、そして電気炊飯器辺りがメジャーだろう。
それでは1960年前後のこれら白物家電の状況はというと、先ずは冷蔵庫から。
日本で本格的に冷蔵庫が普及し始めたのは他の多くの製品同様に1950年代の後半で、東芝製を例にすると1957年のGR830の当時の価格は75,500だった。このGR830は日本で始めたマグネットドアロックを採用したモノで、その後の冷蔵庫では当たり前のこの方式はこの時から始まったのだった。
これが3年後の1960年になるとスタイルもスマートになり、内部にはフリージングボックス(冷凍室)を装備し、しかも価格は65,000円と安くなるなど順調に進化している。そして東京オリンピックの翌年である1965年には冷蔵庫の一般家庭への普及も急ピッチで進み、価格も48,800円と5万円を切っている。
我が家に冷蔵庫が入ったのは転居を機に購入したので1963年だった筈で、これによりガキにとって一番嬉しかった事はアイスキャンディーが自宅で出来る事だった。実際当時の冷蔵庫には標準で冷凍室にキャンディーを作るキットが装備されていた。これで渡辺のジュースの元で作ったオレンジジュースを使って凍らせれば見事に出来上がり。
次にメジャーな白物家電は洗濯機であり、これも1955年に発売の東芝VB-3がメジャーだったようで、価格は冷蔵庫よりは買い易い29,500円だった。このタイプは1層式で洗濯が終了したら上部に装備されている絞り器という、まあ言ってみれば2つのローラーに布を挟んで絞るモノで、手動式のレバーを回して操作するのだが、これが結構重たかったのを覚えている。
この絞り器から進化して遠心式の脱水層を備えた2層式が発売されたのが1967年で、価格は33,500円と1層式より多少高い程度で内容は大いに進化していた。
テレビや音響機器と同様に日本の家電の普及は1950年代後半から60年代に渡って劇的に進化・普及して行ったのだった。その白物家電の雄であった東芝の今の状況を見るにつけ、半世紀の時代が流れて世の中が大いに変化した事を感じるところだ。