希望退職って本当に希望して退職するの?

5月 8, 2019 0 投稿者: B_Otaku

富士通の大量希望退職等、このところ話題の希望退職だが、さてこれは本当に希望して退職するのだろうか?

答えはYESでもありNOでもある。即ち本当に辞めた方が得だと思い、しかも次の仕事の当てや自信がある場合は喜んで手を上げるし、これで予定枠が一杯になれば目出度く解決だが、世の中そうは甘く無い。それに実力に自信を持っているような社員ばかり辞められたら会社のレベルが下がるだけで良い事は無い。そこで本人が希望するように仕向けるというか、いわゆる“肩叩き”も当然ある。

この場合全社的に見て使えない順から肩を叩くというのはある程度以上の規模では中々難しい。そこで各部署(部)で目標を何人と決めて、それに満たない場合は部長クラスが強引な手を使うとか、部で指名した社員を会社が辞めないと地方の工場の現場に転属させるぞ、と脅かしたりする事になる。

この場合、諦めて退職に応じれば良いが、中には辞めたら最後次の仕事は収入が激減するのは目に見えているから、飛ばされようが如何なろうがジッと耐える、という選択をする者もいる。こうなると会社は転属先の社宅を用意したりと経費は掛かるし、現地採用なら給与も安いのに本社の間接業務の給料を払うと実に高いモノになったりと、一応転属させるが一段落したら元に戻して、結局会社の負けとなる場合もある。

尤もそうなると、リストラに失敗した部署の部長は大幅に評価を落とす事となり、それを避ける為に脅迫まがいの事をやって問題になったりと、まあ何れにしても良い事は無い。というかリストラを実行した者は最後に自らが辞めるというのが現実だったりする。

それで退職後には如何なるかと言うと、これは各自其々だが、本当に実力があるのに冷や飯を食っていた、何て言う場合は同業他社に就職して報酬も地位も大幅にアップ、何て言う例もある。実は退職時に上乗せをもらう条件として「ライバル会社には就職しない」という念書を交わしたりするのだが、実は希望退職と言うのは希望と言っても法律上では会社都合の退職と解釈される。その為に辞めさせておいて本人のスキルが生かせる同業他社への就職をさせないとなると就職妨害として逆に訴えられるから、念書は会社からすれば気休めだ。そして転職を世話する人材会社はこの事実を転職者にアドバイスするのは当然だ。

ところで希望退職というのは会社からすれば上乗せ金が負担になりそうだが、実は前年度の大赤字の時に希望退職引当金として予算を確保し、それを赤字に上乗せしてしまう。そして次年度からの利益で前年度の赤字を相殺するから、何の事は無い上乗せ分が事実上の減税でちゃら、という美味しい裏があったりする。それに大手では大量のリストラと言うのは業績アップの為の大英断と市場からは好感をもって評価されて株価の上昇に結び付くとか、もう良い事だらけだったりする。

さて希望退職で泣く者も笑う者もいる訳だが、結局は実力次第。それどころか実力があるのに干されていた場合は良い部下を付けてくれないから自分で何でもやる為に実務能力が衰えていなくて転職に有利、何て事になる。

逆に他人をこき使ってマネージメントが上手い何て評価を得て出世したタイプは、一度こけると実務能力の無さがバレてその後は落ち目の一途、何て事もあり、これも運次第だろう。

さあて、あなたはどっちのタイプかな?

えっ、もうとっくに隠居してるから如何でも良い事だって?