韓国の工作機械を制御するソフトは90%が日本製だった
8月 13, 2019工作機械とは主に金属を切削加工するもので、円筒形の素材を削る旋盤や穴を開けるボール盤、平面に切削するフライス盤など多くの種類がある。そしてこれらを使用しての加工ではその昔は熟練した作業者がハンドル操作で素材や刃物を動かして加工していたが、今ではプログラムにより自動的に加工するCNC(computerized numerical control、コンピュータ数値制御)が使用されている。特に多くの機能を一台に搭載したマシニングセンターは一度素材をセットすれば最終加工まで全て自動的に行われ、多くの分野で使用されている。
これらCNCマシンば極めて複雑な形状でも加工可能な為に戦略物資となっている。今から30年程前に東芝機械のNC工作機械が旧ソ連に不正輸出され、その結果ソ連の潜水艦のスクリュー音が無音となり、戦略上大いなる問題となった事件があった事でも判るように、フッ化水素と同等以上に重要なものだ。
そのNC工作機械は当然ながら加工手順を指令するプログラムとそれを実行制御するコントローラが必要である。下の写真はHYUNDAI-KIA MACHINEという文字が見える事からも判るが、ヒュンダイ製のCNC工作機械だ。「ウリらもNCマシン作れるニダ」と言っているだろうが、韓国で作れるのは(精度は兎も角)機械本体、要するにメカ部分であり、それを制御するのは日本のFANAC(ファナック)製だ。即ち日本がNC制御装置を禁輸すれば韓国の工作機械は製造が不可能となる。
機械加工はあらゆる産業で使用されるから、禁輸時の影響はフッ化水素以上だろう。なお数値制御の分野では日本のファナックとドイツのシーメンスがほぼ世界を2分しているが、韓国では90%がファナック製を使用しているようだ。
なーにそれならドイツ製を使えば良い、と世の中そう甘くは無くて、制御装置を変えると駆動するサーボモーター等のアクチェーターの変更が必要であり、結局ゼロからメカ部分を再設計する必要がある。しかも加工プログラムだって今までの資産を受け継げるかも不明だから、事実上代替えは不可能なのだった。
それにしても今回の一連の騒ぎで判った事は、韓国が先端製品を作れるのは全て日本製の素材や機械、そしてソフトウェアーによって可能だったのであり、日本と手を切ったらば‥‥まあ言わなくても判るでしょう。
おっと、その前に日本の信用状L/Cが無ければ貿易も出来なかったっけ。