日本の情報収集衛星とスパイ衛星はどう違う?

8月 28, 2019 0 投稿者: B_Otaku

偵察衛星というのは光学機器や電波などを用いて地表を観察し地上へ知らせる軍事衛星の一つで、英語で言えば「reconnaissance satellites」であり別名「スパイ衛星」とも言われている。前回のブログ「韓国は8つも偵察衛星を持っているとツイートした日本人の大学教授」でウォールストリートジャーナル(WSJ)がJapan’s eight reconnaissance satellites(日本の8つの偵察衛星)何て書いているとしたが、このWSJの記事は間違っている。すなわち日本は軍隊が無いのだから軍事衛星(偵察衛星)は無いっ!

では日本にある8つの衛星って何? といったら、それは情報収集衛星(Information Gathering Satellite, IGS)で、安全保障や大規模災害への対応やその他内閣の重要政策に関する情報収集を行うための人工衛星で、WSJはこれを勘違いしているのだろう。そう正解は情報収集衛星です。

この8機の衛星は光学センサを搭載して画像を撮影する光学衛星と合成開口レーダーによって画像を取得するレーダー衛星とをれぞれを1組として運用されている。

これに対して偵察衛星は冒頭で述べたように光学機器や電波などを用いて地表を観察し地上へ知らせる軍事衛星で‥‥んっ、もしかして、お・な・じ ?

しかしこのタイプの衛星は地球上を周回しながら軌道を少しずつずらして広い範囲をカバーする事から、同じ場所に戻るには4日を必要とする。したがって、ミサイルを発射した瞬間をとらえる事が出来ないという欠点がある。そしてこれを補うには早期警戒衛星が必要となる。

それで日本の衛星の性能はと言えば、そりゃあ光学衛星なんて言って見れば超高性能のデジカメであり、この分野では世界のトップであるニコンとキャノンは日本の企業という面では圧倒的に有利な筈だ。また打ち上げは国産のH-IIAロケットにより自前で打ち上げが出来る点も情報漏洩防止では大いに有利だ。

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加えて世界各国の偵察衛星は中枢部品に米国製を使用していて、2004年にはこの部品に欠陥が見つかり大騒ぎとなったが、日本の衛星は独自開発であり、中枢部品も全てが自前だから全く影響が無かった。

なお早期警戒衛星については次回にて。