日本の宇宙ロケットはミサイルに転用できるのか?

8月 31, 2019 0 投稿者: B_Otaku

 

北朝鮮のミサイルが飛び交っている今日この頃、そう言えば最近の短距離弾道弾では無く、一時期はもっと射程の長いミサイルを飛ばしたいたが、北ではこれは宇宙ロケットの実験だと言い張っていた。

という事は、逆に日本の宇宙ロケットはミサイルに転用できるのだろうか、という疑問が湧いてくる。結論から言えば、残念ながらNOだった。

日本の宇宙ロケットの主力であるH-ⅡAロケットは確かに大型で、人口衛星の代わりに核弾頭を積めばミサイルになりそうだが、燃料が液体燃料の為に燃料の注入などに何日も要するので、これでは兵器としは使い物にならないのだった。

すなわち、ミサイルには固形燃料ロケットが必要なのだった。では日本に固形燃料ロケットは無いのか、といえば、実はJAXA宇宙科学研究本部(ISAS)が開発したミューロケットがある。その中でも最新のM-Vロケットは大型の3段式で、固体燃料ロケットでは世界最強と評されている。

ただし、M-VはICBMへの利用では大き過ぎ、高価過ぎで実用性に問題がある。また製造工程で手作業が多く量産に向かない。更には発射場が内之浦に固定されていて移動出来ない為に敵の標的となってしまうなどの問題がある。

結局実用的なICBMへの転用は難しかった。なーんだ、‥‥と思ったら、実は後継にイプシロンロケットがあった。このロケットの性能はM-Vロケットの2/3程度だが価格は1/3で部品も特注品から汎用品としてコスト削減と量産を目指している。打ち上げは2013年に成功していて、最新は2018年に高性能レーダー衛星を打ち上げている。

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加えてミューロケットはレールによる斜め発射方式だったが、イプシロンでは垂直発射となり、また打ち上げ場所の制限が無く、世界中のどこでもノートパソコン一台でロケットの点検や管制が可能という。

ややっ、これって若しかしてミサイル用の機能を持たせたんじゃあないの? いえいえ、そんな事はありませんよ。JAXAはあくまで人工衛星打ち上げ用といっておりまする。

でも例えば、あくまで例えですよ、空母を護衛艦と言ったり、核兵器の燃料プラントを原子力発電所と言ったり‥‥何やらその手の雰囲気が‥‥。

ところでICBM何て近隣の国に使うには射程が長過ぎるから、日本を敵国としている近所の国に対しては短距離ミサイルが適しているのだが、さてこの分野はどうなっているのか、については回を新たに纏める予定だ。