中国が韓国への配備を極端に嫌う「THAAD」とは?
12月 14, 2019中国は韓国にTHAAD配備が検討された2014年には反対の立場を表明し、米韓が配備に向けた正式協議を開始した2016年には中国は報復として商用複数査証の発給に制限をかけ、韓国人芸能人たちの公演が制限され、THAAD配置に敷地を提供したロッテグループの系列会社に対する中国当局の嫌がらせ的な税務、消防、衛星、環境面での調査が実施された。
またロシアも中国以上に韓国へのTHAAD配備に懸念を示したいた。これ程までに中ロが嫌うTHAADとは何モノなのだろか?
THAADミサイル(Terminal High Altitude Area Defense missile、終末高高度防衛ミサイル、サードミサイル)は敵弾道ミサイルが大気圏に再突入の段階(終末)で迎撃・撃破するミサイルの事である。
従来このような迎撃ミサイルにはパトリオットPAC-3が知られていたが、射程が短く高速の中距離弾道弾への対処が難しく、また迎撃に成功しても高度が低い事で地上での被害が大きい等問題が多かった。
実際に湾岸戦争で使用されたパトリオットミサイルはスカッドミサイル(懐かしい!)の迎撃に対して成功率が低く、日本国内のテレビでも誤作動で爆発し一部が火の玉となり民間人の住居地区に落下した映像が流れていたのを覚えている。
サウジアラビアは高価なミサイルを米国から買って、結局殆ど役に立たなかった事になる。そういえば今年9月にはイエメンの武装組織によると言われているドローンにより製油所の半分が破壊されてしまった事件が記憶に新しい。サウジアラビアは今でも米国から膨大な金額の兵器を購入しているが、結局ドローンには全く無力だった事になる。尤も米国からすれば良いお客さんだが。
⇒サウジアラビアの石油施設を攻撃したドローンとは?
そこでパトリオットよりも高い高度、成層圏よりも更に高い高度で目標を迎撃するために開発されたのがTHAADだった。しかし攻撃用では無く、迎撃ミサイルの配備を何故中国は阻止しようとするのかというと、THAADのレーダーの探知範囲が中国の内陸に届くことで中国の「戦略的安全の利益を直接脅かす」事と、「グローバルな戦略安定を破壊する」としており、これはロシアの反対意見とも一致している。
ところで日本でのTHAADの導入はというと、一時期導入の議論もあったが日本はTHAADを遥かに上回る性能のSM-3ブロック2B新型ミサイルを米国と共同開発しており、近日中に配備される。そして韓国ではこのSM-3に匹敵するウリジナルの「韓国型弾道弾迎撃ミサイル」を開発する‥‥という構想を上げているが、まあ何時もの通りのハッタリだ。
⇒【自衛隊 vs 韓国軍】弾道弾迎撃ミサイル
結局、韓国の経済の悪化の原因はTHAAD配備による中国からの経済制裁であり、それに日本との関係悪化が止めを刺したという事のようだ。要するに日・中・米を敵に回してしまった訳で、こんな芸当は文ちゃんでなきゃ出来ないだろう。いやはや、ヤッパリ文ちゃんは歴史に残る無能な指導者だった。
.