ロシアの紛争で欧州のLNG危機時 日本から一部融通表明
2月 11, 2022
9日、ロイターの伝えるところでは、『政府は9日、ウクライナ情勢の緊迫化などから欧州の液化天然ガス(LNG)需給が厳しくなっていることを受け、LNGの一部を欧州向けに融通すると発表した。米国や欧州連合(EU)の要請に応じた。』という。
またこれに対して『萩生田光一経済産業相は省内で記者団に、日本国内での安定供給が大前提となると述べた。』が、まあそれぁ当然だろう。
欧州は天然ガスの多くをパイプラインで輸入しており、それもロシアからの割合が多いために、ウクライナ情勢による供給遮断などとのリスクが極めて大きい。
⇒ウクライナ危機の裏
対する日本は天然ガスは全てLNGタンカーによる海上輸送であり、この方式は液化する事や船舶輸送での非効率などでデメリットも多いが、パイプラインのように有事の際に通過国での遮断による供給停止という最悪の事態にはならないメリットもある。
また船舶輸送は、購入先を分散させたり急遽変更するなど、突然の紛争回避が出来るという点でもメリットは多い。
まあ、EUのように陸続きでパイプライン設置が簡単ではない島国日本のデメリットが、逆にメリットに転じたという事だ。
この為に日本はLNGの輸入量ではダントツ世界一となっている。
このような状況の日本では、三井商船が北極海を経由してのLNG運搬用として世界初の砕氷LNG船3隻を投入する予定となっている。
因みに世界のLNG運搬船は殆ど韓国が独占しているため、上記の砕氷LNG船も韓国・大宇造船海洋で建造するようだが、韓国で砕氷船なんて出来るのかねぇ。
⇒韓国自慢のLNGタンカー 何度修理しても治らず根本的な設計ミスの疑い
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