北欧2国のNATO入りに反対するトルコは位置的に極めて重要だ

5月 24, 2022 0 投稿者: B_Otaku

 

ウクライナ紛争に絡んでスウェーデンとフィンランドのNATO加盟に対してロシアは猛反発しているが、トルコも北欧2国の加盟に反対している。

ここでまずはこれらの国の位置関係を把握しておこう。

北欧2国、取り分けフィンランドはロシアと国境の多くを接している。従ってロシアとしてはここにNATOの軍事基地が出来る事は安全保障上大いなる危機となるし、更にスウェーデンも加わればロシアの国境から西は殆どがNATO諸国となってしまう。

ここでウクライナまでが西側となればロシアとしては更に脅威が増すし、ベラルーシを取り込んでいるのも、そんな地政学的な問題もあるのだった。

ではトルコはどうか?

実はトルコというのはこの地域で極めて戦略的に重要な位置を占めているのだった。

というのは地図をよく見ると、何と黒海と地中海を結ぶポスポラス海峡はトルコのど真ん中にあるのだった。

この海峡は長さは南北に30キロメートル、幅は700~3,700メートルという狭さで、内海である黒海はここを通らないと外海に出る事が出来ないから、もしもトルコがこの海峡を封鎖したらば‥‥そりゃあ大変だ。

といっても、イメージが湧かないので、海峡を通過中の船からの画像をアップしておく。

大型巡洋艦も黒海に入るにはここを通る必要があるから、沈没したロシアの巡洋艦の代わりに別の艦を黒海に配備するとしても、そう簡単ではない事が判る。

しかも地中海からは、ポスポラス海峡を通って黒海へ入る前に、これまた内海であるマルマラ海に入る必要があり、地中海からはダーダネルス海峡を通る必要がある。この海峡もまたトルコ領のど真ん中を通っている。

なるほど、トルコが強気の訳だ。
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