沈没したKAZUⅠのエンジンは2基→1基に改造されていた

5月 30, 2022 0 投稿者: B_Otaku

 

沈没した観光船KAZUⅠが瀬戸内海の穏やかな内海の定期航路用として40年前に建造された「ひかり8号」である事は既に伝えた通りだ。
沈没した知床観光船のKAZUⅠは荒海には向かない仕様だったのか?

ところで、そのひかり8号について当時の説明には、「2基のエンジンにより‥‥云々」という記述があったのを思い出した。ところが、KAZUⅠを陸揚げした状態のお馴染みの写真を見ると、シャフトは明らかに1本だ。

あれっ、ひかり8号についての記述が間違いだったのか? と思ったら‥‥

知床観光船KAZU1元船長が“改造”を証言「エンジン2基→1基に」船底に空洞も(2022年5月29日)

何と、オリジナルの2基掛けから1基に改造していたのだった。エンジンが2基あればもしも1つが故障しても残ったエンジンを使用して帰還出来る。KAZUⅠの全長は約12mというから、プレージャーボートでいえば40フィートであり、個人のレジャー用でも40フィート級なら多くは2基掛けとなっているのに、一般客を乗せる観光船が1基掛けというのもねぇ。

ただし、この改造は現行の経営者に代わる前に既に実施されていたようだ。

この動画を見ると、他にも隔壁に穴が開いていて一か所浸水したらば船全体に浸水してしまうとか、何やら飛んでもない改造もやっていたらしいが、それは今の経営者になってからだろうか?まあ、その辺も捜査が進めば明らかになるだろう。

実はKAZUⅠについては、もう一つ腑に落ちない事があった。それはKAZUⅠの船首の形状がバルバス・バウ(球状船首)という方式であることだ。にも関わらず、高速走行の写真を見ると、船首を持ち上げて滑走(プレーニング)しているが、これでは球状船首の意味を全く成していないのではないか、という疑問だった。

ところで、冒頭の動画では知床観光が購入した時の価格は500万円だったというから、ポンコツ値段ではないか? 船というのは高価であり、40フィートのプレージャーボートなら2億円くらいは常識であり、観光船だって新造すればやはり億円単位となるだろう。

結局、この知床遊覧船はボロ船を安く買ってきて、魔改造で荒海の観光用に使っていたが、それは勘と経験の名人芸で成り立っていたらしく、それを素人の現経営者が何も知らずに人件費節約の為に名人を首にして、未経験者を使った事による事故という事には間違いなさそうだ。
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