いよいよKAZUⅠが陸揚げされた
6月 2, 2022
海底からの引き上げに成功してヤレヤレ、これで後は港まで運ぶだけ、と安心したのも束の間で、何と海中にぶら下げて移送中により深い海底に沈んでしまった話題のKAZUⅠだが、何とか台船に載せて網走港に着岸していた。そして昨日、台船からトレーラーに載せて保管場所まで無事移動が完了した。
この作業のビデオを見ると、「乗り物何でも大歓迎」で取り分け重車両が大好きな変態である自分としては、これを取り上げずにはいられない。
という事で、先ずは台船から引き上げてトレーラーに積み代える作業を見て見よう。
台船には水中からの引き上げにも使用していたクローラークレーンが積載されている。
クローラークレーンはキャタピラーにより移動が可能だが、多くの場合は移動式クレーンのようにアウトリガーと呼ばれる門型の転倒防止装置が無い。その為にクレーンの竿の部分であるブームを水平方向に降ろすと転倒の危険があるとか、ブームの長さは固定だから、作業には時間が掛かるなどKAZUⅠのつり上げには決して向いてはいないから、今回はどうするのだろうと思っていた。
ところが、今回のニュース動画を見たらば、陸上にオールテレーン(オルター)クレーンを設置して、引き上げていた。
オルタークレーンは一般に超大型で、20トンと言われるKAZUⅠなら全く余裕だ。しかも最新の油圧式だから、コンピューター制御によりレバー1本で自由に荷物を移動出来るし、実際作業はスムースに進んだようだ。
余談だが、オルタークレーンは日本では重量もサイズも完全に法規をオーバーしているために、運搬時には台車部分のみ自走させて、クレーン部分は別のトレーラーに積載して運搬し、作業現場で組み立てて使用する。
そして運搬するトレーラーを見ると、可なり特殊な重量用トレーラーで、しかも牽引車(ヘッド)に荷重が掛からないフルトレーラーというタイプだ。そのヘッドにはメルセデスベンツのマーク、スリーポインテッドスターが見える。
そして到着した保管場所
ここにももう一台のオルタークレーンが待機していて、トレーラ―から保管スペースに移動したが、これも作業はすんなりと進んだようだ。
引き上げ後の大チョンボがあった今回の一連の作業だが、サルベージ会社の作業や機材を見ると、確かに海の中での作業は超一流のようだが、最終的に台船や陸に上げる、要するに海では無く陸の作業は、何やら今一だなぁ、と思っていたし、これで陸揚げは大丈夫かよ、という気持ちがだったが、陸の作業は専門の業者でしかも機材も最上のモノを使っていた。
ところで、この作業で釣り上げられた船底の映像には大きな穴が写っていた。この穴は最初に海底で発見された時点で既に開いていたというから、これは何やら沈没原因に結び付くかもしれない。
まあ検証に時間は掛かるだろうが、証拠品を確保出来た事で、解明は充分に出来そうだ。
【追伸】
オルタークレーンの写真を見ていると、あのタイヤだらけの巨大な台車は何やら見たことがあるような?
おおっ、これこれ。
日本は今現在では弾道ミサイルを持てないが、あれは言ってみれば宇宙ロケットの親戚だし、その台車もオルタークレーンの親戚だった!
でも、核兵器は持ってない。
しか~し、日本は何故か核燃料の再処理技術では世界のトップを行っているから、国内でプルトニュウムの製造が出来る。
な~んだ、その気になれば、簡単じゃないか!
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