もしもロシアから欧州への天然ガスパイプラインが止ったら?
7月 15, 2022
欧州はロシアからの天然ガスが途絶えたら経済が崩壊する事は以前から言われていた。しかしロシアからドイツへと供給するパイプライン、ノルドストリーム1からの供給は続いていた事から、何とか必要量は確保していた。
ところが、そのノルドストリーム1が現在修理の為に停止していて、もしも再稼働が出来ないと大変な事になる。
これについてブルームバーグが以下のように伝えている。
⇒Markets Plan Doomsday Scenarios If Russia Turns Off the Gas
ロシアがガスを止めた場合、市場は終末のシナリオを計画する
・Strategists lay out worst-case scenarios for stocks and bonds
・Europe is caught in a ‘vicious circle,’ says Banque Syz CIO
・ストラテジストは、株式と債券の最悪のシナリオを提示します
・ヨーロッパは「悪循環に陥っている」とBanqueSyzCIOは述べています
現在、ポーランド経由のパイプラインは完全に停止していて、ウクライナ経由のパイプラインも大幅減少で、さらにノルドストリームも停止中となると、実は欧州のエネルギーは可なりひっ迫しているのだった。
そのノルドストリーム1は点検で停止したところ、コンプレッサーの修理が必要となり、取り外してカナダで作業を実施した。ところが、バイデン政権の制裁でカナダから戻せなくなった事で、再開に目途が付かなくなってしまった。
これに対して、ドイツ ショルツ首相が交渉して部品が提供され、ドイツが受け取り、ロシアが部品交換作業を行う事になってはいるようだ。
ロシアからすれば、米国の横やりで部品が届かないので再開は無理。俺たちのせいじゃ無いよ、ってなところだ。これにより欧州と米国の関係が悪化すれば、ロシアにすれば勿怪の幸いとなる。
全く今のバイデン政権はロクな事をやらないなっ!
元々米国は、自国産の天然ガスを欧州に売りたいがコストで太刀打ち出来ない。採掘コストが高い事に加えて、運搬には液化が必要でしかも船での運搬だから、ロシアのパイプライン供給に太刀打ち出来る訳が無い。
実は今問題のウクライナ紛争の元となった2014年のウクライナ騒乱は、ウクライナを通るロシアのガスラインを止める事を最大の目的としていた、というのが真実らしい。そして、既に完成しているノルドストリーム2は、これまた米国の横やりで開通していない。
⇒ロシア-ドイツ間海底パイプライン「ノルトストリーム2」が破産?
ノルドストリーム1の再開予定は7月22日だが、果たして稼働は出来るのか?
そしてもしも、22日からの稼働が出来ない場合、株価20%下落、ユーロはドルの90%代まで下落すると言われている。そこで、今現在のユーロの状況を見ると‥‥
う~ん、辛うじて1ユーロ=1ドルとなっているが、既に危ないところだ。
なお、ノルドストリーム1の再開が無ければ欧州のガス在庫は2013年1月末に枯渇するという事で、そうなったら世界はパニックになり、まあネオコンの企みが成功してしまう、という事か。
その前に秋の米国中間選挙の結果も大いに影響するだろう。
今年後半は兎に角、何が起こるか判らない。
今から覚悟しておこう。
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