イスラエルの天然ガスが欧州を救う?
7月 22, 2022
ロシアからドイツへと供給するパイプライン、ノルドストリーム1が定期点検で停止したまま再稼働が出来ない可能性により、欧州の天然ガス確保に対する危機も叫ばれている。
⇒もしもロシアから欧州への天然ガスパイプラインが止ったら?
ところが、欧州はこの対策としてイスラエルからの天然ガス輸入を検討しているという。
ええっ、イスラエルの天然ガスって?
イスラエルといえば、産油国と同じ中東にあって全く原油が出ないなど、エネルギー資源の無い国だと思っていたが、実はイスラエルでは1996年に初の商業規模での天然ガス田が発見され、その後も大規模ガス田の確認が進んでいたのだった。
その後2010年、米地質調査所(U.S. Geological Survey)はトルコ、キプロス、シリア、レバノン、イスラエル、エジプトを含む東地中海地域に、3兆4500億m³の天然ガスと170億バレルの原油が埋蔵されていると推定した。イスラエルは現在天然ガスの自給がほぼ達成されている、
そのイスラエルのエネルギー相によると「エジプトとイスラエルは天然ガスを欧州と共有し、エネルギー危機への対応を支援することを確約する」という事で、ロシアからの不足分をエジプト、イスラエルからの輸入で補うという事のようだ。
イスラエルもエジプトも地中海沿岸に位置しており、船での運搬ならば全く問題が無いし、現在イスラエル・キプロス・ギリシャを繋ぐ東地中海天然ガスパイプラインを2025年までに完成させる事で合意している。
とは言え、直ぐにロシアからの供給分の全量を代替え出来る訳でも無い。しかも、この地域は他にもトルコ、シリア、レバノン、ヨルダン、リビア、パレスチナという、名前を見ただけで複雑な事情がありそうな国が並んでいる。
これに欧州や米国が絡むのだから、これぁ事は簡単ではない。
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