クルマ試乗記の裏話21 【アルファロメオ156】
9月 5, 2023
アルファロメオといえば戦前は今のフェラーリに相当するような超高性能で超高価格のスポーツカーメーカーでありレースでの活躍も多く、フェラーリの創始者であるエンツオ フェラーリ氏も戦前はアルファロメオのワークスドライバーだったというくらいの名門メーカーだった。
しかし戦後はもう少し下のクラスで、決して安物ではないが一般人でも無理すれば買える価格帯のクルマだった。とはいえ、輸入車が極めて割高だった日本においては、欧州では中級スポーツセダンであったジュリアなどはベースグレードでも、当時の国産車では最高峰であったトヨタ2000GTと同価格だった。この辺の話は
⇒Alfa Romeo Giulietta Quadrifoglio Verde 試乗記 (2015/11)
にて。
そんな事もあって、同年代のクルマ好きからすれば、結構思い入れのあるブランドでもある。そのアルファロメオの販売店を見かけた事から、早速訪問してみた。
対応に出た営業マンは、比較的若いにも関わらず60年代の話にも極めて精通しているという、コテコテのアルファおたくだった事から、先ずは156 2.0セレスピードに試乗した。
⇒Alfa Romeo 156 2.0 SELESPEED (2004/10/10)
その役1週間後にGTAの試乗車が用意できたと連絡があり、もちろん即答で試乗する旨を伝えた。
⇒Alfa Romeo 156 GTA (2004/10/17)
156GTAはDセグメントのセダンにV6 3.2L を詰め込んで、しかもFWDだからフロントヘビーだったが、それ以上に感じたのは走り始めて直ぐに感じた加速の良さだった。まあ、普段乗っているBMW320iの加速は決して悪くはないのだが、上体がバックレストに押し付けられるような加速を久しぶりに味わうと、やっぱりハイパワー車は良いなあ、と思うのだった。
なお、この当時なぜかGTAはワゴンボディだった。只でさえ売れない特殊なクルマを、ワゴンで販売するなんていうのは、何か事情があったとは思うが‥‥。
試乗した時は心が動いたが結局、冷静に考えればこの車を購入候補に入れる事は無かった。
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