軽自動車のタイヤ脱落で女児が意識不明の重体

11月 16, 2023 0 投稿者: B_Otaku

 

14日午後、札幌市の市道で走行していた軽乗用車の左前部のタイヤが外れ、歩道を歩いていた女児を直撃し、女児は意識不明の重体となっている。

外れた軽自動車のタイヤが当たって重体って、まあ女児という事と速度は速くてタイヤの勢いがあったのかもしれないが、軽自動車のタイヤって小さくてショボいのだが、意外と威力があるんだなぁ?

と、思って事故車の写真を見たら‥‥

あれあれ、こりゃ軽自動車なんていう代物じゃなかった!

見ての通りで軽とは言えオフロード車であるジムニーをベースに異様に車高を高くして、幅も強引に広げた通称「リフトアップ車」何ていわれている特殊なクルマだ。

その事故車の外れた前輪部分の写真では、標準のジムニーに対して幅を広げる為の改造部品のハブを付けている。そして標準車の中心部分にある前輪も駆動する(4WD)為のハブが無い。これは恐らく、この手の極端なリフトアップ車では、前輪を駆動するためにプロペラシャフトが作動できないために、2WDとしてしまったのだろう。

走破性を上げるためのリフトアップなら、走破性が落ちるRWD化なんて無意味なのだが‥‥まあ、何を考えているのやら。

そして事故車のハブ付近を見るとハブボルトが見えるが、ボルト自体は曲がってはいるが破断や折れたりはしていたいようだ。しかし、何やら不可解だ。

そこで、下の写真だが、これはリフトアップ改造ショップの店長の説明の一部だが、何と幅を広げて2WDにした改造ハブには、更にスペーサーを噛ましてトレッドを広げているのだった。すなわち、今回の事故はこのスペーサー毎タイヤが外れてしまった、という事になる。

それにしても、何故にこれほどに無茶をしてトレッドを広げるのかといえば、極端なリフトアップで車両の重心が上がってしまうために、少しでも転倒の可能性を減らすためにトレッドを目一杯広げる必要があるのだった。

その広げた分を何とか囲囲うオーバーフェンダーを付けているが、いや、待てよ。軽自動車にこんなもの付けたら、車幅が軽自動車の枠をはみ出してしまう。その為にこの場合は改造申請をして普通車登録としないと公道を走れないのだが、写真のクルマのナンバーは軽自動車特有の「黄色ナンバー」だ。

要するに、そもそもこの車は違法改造車であり、公道を走る事は出来ないのだった。

それにしても、こんな無意味な改造をなぜ行うのかというと、元々この手のクルマは泥沼ようのうなコースでの走行を競う、「マッドボギン」と呼ばれる特殊な競技用に改造されたものだった。しかし、それをカッコ良いと思った輩が、それを真似して似たような改造をして悦に入ったのだった。

では、事故車が本当にマッドボギンに出場しているかといえば、その手のクルマは傷だらけで、事故車のようなピカピカの訳が無い。

こんな無茶な改造をすれば、足回りには車の設計時点では想定していない異常な荷重が常に掛かっているわけで、金属疲労による部材の破断など、突然何が起こるか判らない。

警察は車や外れた部品を押収しているようだから、これを分析すれば原因判明は比較的容易だろう。

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