沈没したロシアのミサイル巡洋艦「モスクワ」とは?
4月 17, 2022
14日に黒海で沈没したロシア海軍のミサイル巡洋艦「モスクワ」についえは、ウクライナ軍は巡航ミサイルで撃沈したと発表したが、ロシアはこの説を認めていない。
まあ、何れにしてもロシアの黒海艦隊旗艦が沈没した事に変わりは無く、戦力的にも精神的にも大きな痛手となった事に違いは無い。
さて、その「モスクワ」は、基準排水量9,300tという大型艦でスラヴァ級と呼ばれ、同形艦は他にもう1隻が就航している。
モスクワは起工が1976年11月、就役は1982年12月と、言ってみれば結構な老朽艦だ。建造は皮肉にもソ連当時のウクライナ共和国の造船所だった。就役当時はスラヴァという艦名だったが、1995年にモスクワに改名された。
2016年には改修を始めたが資金不足により難航し、2020年にようやく就航を続ける事が出来たが、今回1年チョイで沈没した事になる。
ところで、日本の海上自衛隊で、このモスクワに相当する排水量としては、「ミサイル護衛艦まや型」(8,200t)が相当するだろうか。まや型には「まや」と「はぐろ」の2隻があり、何れも就航は2020年という最新鋭艦で、3世代目のイージスシステムを搭載している。
上の写真と比べると、実に時代の差を感じる。
しかーし、海上自衛隊のイージス艦は他にもある。現在就役中の「ミサイル護衛艦」は1993年就役の「こんごう型」4隻、2007年就役の「あたご型」2隻であり、合計8隻が就役している。しかも一番古いこんごう型(1990年起工)でもモスクワ(1976年起工)よりも14年も新しい。
こうしてみると、海上自衛隊はロシア海軍と比べて圧倒的に優位に立っているのが判る。しかもイージス艦だけでもこれだけ差があるが、これにナンチャって護衛艦、ぶっちゃけ小型空母である「いづも型」2隻とその打撃群まで考慮すれば、日本の海軍力って米国を除けば結構な戦力という事だ。
しかも米海軍は世界中に展開しているのに対して、海上自衛隊は日本近海の「防衛」のみだから、その割には結構な海軍力、もとい、海上自衛力だねぇ。
とは言え、海上自衛隊に足りないのは原子力潜水艦とそれに搭載する核ミサイルだ。これがあれば、もしも日本本土が核攻撃されたとしても、海中に潜んでいた潜水艦からの報復攻撃が出来る事になり、結果的に「敵国」は報復を恐れて日本に対する攻撃が出来ない事から、これが強力な防衛力となるのだが‥‥。
そんな状況で、今回のウクライナ危機は、核兵器を持たない国は簡単に侵略されてしまうし、米国を始めとした大国は兵器の援助はしても軍隊を派遣する事は無い、という事がハッキリした。これで日本の世論は盛り上がり、一気に原子力潜水艦と核保有に突き進めるか否か?
しかし、拙速に対応すれば怪しげな極右が余計な事をやり兼ねず、この辺は注意が必要だろう。まあ右も左も、極端なのは危険だし、結果的にはどちらも全体主義で、目的は同じ!
それを上手くコントロールできる優秀な政治家が今の日本にいるのか心配になる今日この頃。
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