中国のIT機器大手がICチップ自主開発を断念
5月 19, 2023
中国の通信機器製造とソフトウェア開発大手のOPPO(オッポ)が、ICチップの自主開発を断念した、と伝えられている。
OPPOは2019年8月にチップ設計などを手掛ける関連企業の哲庫科技(ZEKU)を設立したが、今月12日にこれらの事業を全面的に打ち切ると発表した。
OPPOの従業員は突然に事業停止の通告を受けたという。中国では従業員を解雇するには所定の日数以前に通告するか、それを実行しない場合は在籍年数をNとするとN+3か月を支払う方式があり、OPPOは後者を採用するという。また、年末ボーナスを含めて1カ月当たりの賃金を採用して適用するというから、これは意外にも良心的だとの指摘がある。
OPPOといば、日本ではゼロ円スマホで聞いた事があるが、ファーウェイに比べればイマイチ感はあった。そのOPPOは2021年12月に初の自社開発チップ「MariSilicon X」の開発に成功した。このチップは画像処理プロセッサでOPPOの多くの主力スマートフォンに搭載された。
ここで止めておけばよかったのに、2022年12月に自社開発チップ第二弾として「MariSilicon Y」というオーディオチップの開発を完了したが、第一段と共に出荷数が伸びていなかった。その理由は世界的なスマートフォン市場の縮小だ。
加えて、米国は中国に対するさまざまな規制を強化した事で、OPPOのみならず、他の中国の有力半導体企業も打撃を受けている状況となっている。
とはいえ、同じ中国の携帯電話メーカーでチップを自社開発している小米(シャオミ)やvivoなどは、OPPO程の痛手は受けていないようだが、それはスマホの制御のメインとなるシステムチップではなく、補助的なプロセッサに焦点を絞っている事がその理由のようだ。
ところで、OPPOの半導体事業停止により、半導体開発技術者が一気に就職市場に流れ出た事で、急激に成長している他の中国企業では優秀な技術者の引き抜き競争が生じているという。
結局今の時代、ハイレベルのIT技術者は、勤務先が倒産しようとも全く問題なく就職口が見つかるという事だ.。これは日本でも同じであり、例え早慶を卒業しても文系の学部卒では会社が傾けば次の職の保証は無い。
結局馬鹿にしていた東京4工大に入学して、情報系の大学院を修了した高校の同級生の方が、遥かに潰しが効くのだった。
えっ、早慶の文系は数学も物理も入試には無い、って?
まあ、確かに。
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