東北新幹線が雪でオーバーラン

3月 7, 2024 0 投稿者: B_Otaku

 

3月6日朝、JR郡山駅で新幹線が停車位置を通り過ぎる「オーバーラン」があり、一時、東京から盛岡の区間で上下線が運転見合わせとなった。

ホームから撮影された動画から、オーバーランしたつばさ121号は停車位置を約500メートル過ぎた位置で停車したという。

JR東日本では雪が原因の可能性もあると言っているようだが、新幹線は雪に強い事では世界的に有名だし、事実結構な雪でもオーバーランなんて発生していなかった記憶があるが、今回は何故に止まれなかったのだろう?

新幹線に限らず、電車のブレーキには電気ブレーキと摩擦ブレーキがある。摩擦ブレーキとは自動車と同様にディスクブレーキ等でライニングの摩擦によって車輪を減速させて止めるものだ。鉄道の場合もディスクブレーキとドラムブレーキに相当する制輪子があるが、新幹線の場合はディスクブレーキを採用している。

電気ブレーキはモーターに電気的な負荷を付けて逆にモーターにより減速させる方式で、現代の電車は負荷を架線を通じて他の車両のモーターとする「回生ブレーキ」が採用されている。その昔の電車は、床下いっぱいに巨大な抵抗器を付けてこれを負荷としていた為に、折角のエネルギーを熱にして空気中に拡散するという、エコとは縁遠い方式だった。

さて新幹線のブレーキだが、殆どは電気ブレーキにより減速し、停止の少し前から摩擦(ディスク)ブレーキも併用して、停止位置にピッタリ止めるための微調整に使うという程度だ。なお、電気ブレーキは微速となると効かなくなるという特性があり、摩擦ブレーキが無いと完全停止できない。

今回のオーバーランではディスクブレーキの効きが悪くて停止出来なかったのか、そもそも凍結により車輪とレールの間の摩擦が極めて少なかったとも考えらえる。元々鉄同士の車輪とレールだから摩擦係数は少ないのだが、さらに摩擦が小さくなるということは、レール表面が完全に氷の層に覆われた、とかの現象が起ったのだろうか?

まあ、JRも必死で原因解明をするだろう。

ところで、このオーバーランにより東北新幹線は東京から盛岡までの区間で運転を見合わせたが、この件のみならず新幹線は一部で事故などの不具合が出ると、殆ど全線で運転が中止されるという問題が発覚している。

素人考えでは、途中で折り返し運転すれば良いじゃねぇ、何て思うのだが、高度に自動化されている新幹線のダイヤは、急遽折り返し運転などという融通が利かないのだろう。

確かに、滅多に起こらない事故時のために特別なダイヤ変更のシステムを開発するのはコスト的にあわないだろうし、運用リスクも大きいから、やりたくは無いだろう。

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