70年代のマイコン2

10月 9, 2018 0 投稿者: B_Otaku

 

前回のブログでは NEC のワンボードキットTK-80と、これを元にしたパソコンの前身とも言えるCOMPO BS/80に至るまでを取り上げたが、これは国産機の場合であり、それなら世界の状況は如何だったのか、が今回のテーマとなる。

上記のCOMPO BS/80のようにキーボードとテレビを繋いでコンピューター的に使うモノを米国ではホームコンピューターと呼ばれていた。そして日本より2年程早い1977年頃に発売された御三家といわれたのがコモドールのPET、APPLEⅡ、そしてTRS-80だった。

PET2001(通称ペット)は安モノ関数電卓等を作っていたコモドール社が開発したもので、台形のディスプレイとキーボード、カセットドライブまでを一体化したものだが、キーボードはコンピューターとしては変形で安っぽかった。

2つ目はAppleⅡで、かの有名なスティーブ ジョブスが中心となって1976年に最初のモデルであるAppleⅠを発売し、翌年に大幅に改良されたのがAppleⅡだった。当時としてはカラーグラフィック機能があり翌1978年には専用のフロッピーディスクドライブであるdiskⅡも発売され、性能的にも最も進んでいた。当時日本にも輸入されていたが高価な事から一般のマニアには手が出なかったという面もあった。

3つ目はタンディ社のTRS-80で1977年に発売された。TRS-80は主としてビジネスユースに人気があったようで、日本でも販売されてはいたようだが人気は無く、当時友人関係でこれを買ったという話は聞いていない。

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上記の御三家の内、コモドールは1979年にPET-2001を大幅に改良したモデルを発売し、名称もCMB3032と変更された。CBMというは正式な社名であるCommodore Business Machineの略称という事だが、何となくIBMのパチモノ的に感じたものだった。このCMB-3032はメモリー(RAM)が32KBと(当時としては)大容量で、価格も安かった(約30万円くらい)ので、マイコンオタクというよりも新しいモノ好きのサラリーマン等にも人気があった。しかもデュアルフロッピーディスクドライブCBM3040も発売され、比較的安価(といっても合計で60万円)にディスクシステムを構成出来た事も人気の秘密だった。

なにしろカセットではチョッとしたプログラムでも読み書きに何分も掛ったのが、フロッピーディスクではホンの数秒だから、当時としては正に驚異的だった。勿論AppleⅡならもっと早期に実現できたのだが、記憶では100万円コースだった気がする。

なおCMB3032と名を変えても当時のユーザー間ではペット(PET)と呼ばれていた。しかし、このペットがトップの人気だったのは精々数カ月で、この後にNECのPC-8001は発売されてからは敢えてペットを買う何ていう日本人はいなかったのは当然で、ペットは何時しか消えて行った。

COMPO BS/80やペットのユーザーは僅か数ヶ月、場合によっては1か月程度早く飛び付いたために大枚はたいて買ったものが粗大ゴミになってしまうという、IT分野では時間の感覚が従来とマルで違うのを肌で感じたのだった。

さて、創世記のパソコンの王者となったPC-8001については
70年代のマイコン3

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