オリンピックの生中継でライフル射撃を見た(1)
8月 4, 2021
オリンピックの面白さはメジャーな競技よりも、普段は見る機会の少ないマイナー競技を見るところにある。
そんな各種の競技の中でも、やはり銃器マニアとして有難いのは射撃競技をノーカットで見られる事だ。今回のオリンピックは「https://www.gorin.jp/」というサイトで、生中継を見る事ができる。
それで東京オリンピックの射撃競技では、大きく分けてライフル(&ピストル)およびクレー射撃に分けられる。クレー射撃は散弾銃を使い標的は皿のようなクレーが空中に飛び出すもので、これは狩猟で鳥を撃つ動作を競技化したものだ。
そしてライフル射撃は遠くにある固定された的を撃つもので、使用する銃器からライフルとピストル、それぞれに弾丸の違いで、火薬を使わずに圧縮空気(ガス)の力で発射するエアーピストル、エアーライフルと、火薬により発射する実包を使用するピストル、ライフルに分けられる。
エアーの場合は、最近は殆ど炭酸ガス方式となっていて、小型のボンベを装着した銃器を使用する。そしてこのタイプの銃は殆ど反動が無いようで、競技の中継を見ても何処で弾が発射されたのか全く分からないくいだ。
対するライフルは小口径(5.56㎜)の22LRという実包を使用する。こちらは多少の反動があるが、特にライフルでは銃の重さの割に火薬の威力が低いので反動は極わずかだ。
なお、エアーライフルは日本の銃刀法では空気銃と呼ばれているもので、所持には公安委員会の所持が必要な実銃であり、サバイバルゲームなどで使われる通称エアガンとは威力も精度も価格も全く異なる。
その中で今回最も見たかったのが「50mライフル3姿勢個人」で、これは男子と女子のそれぞれの種目が設定されている。3姿勢というのは、膝射(ニーリング)、伏射(プローン)、立射(スタンディング)と異なる姿勢で、それぞれ的を狙って撃つという競技で、各姿勢でのテクニックが異なることから、これは非常に難しい。
なお、以下の写真は全て生中継の動画からのスクリーンショットを使用している。
競技の順番は最初が膝射
次が伏撃
最後が立射
となる。
使用するライフルは競技として兎に角精度を追及した事から、狩猟に使うライフルとはマルで違う外観であり、クルマで言えばフォーミュラーカーみたいなものだ。
最近はステンレスも多用されているようで、黒光りする銃身と美しい木目のストック、というライフルらしさとは縁遠い代物でもある。
またスコープは禁止で、あくまで肉眼で照準するが、マイクロサイトと呼ばれる照準器は極めて精密に出来ている。さらに自身の体形に合わせて肩当てや頬付けなどを調整できるような構造になっていて、これまた狩猟用途とは大きく異なっている。
重量は重い程ブレが少なく当たりやすいが、とはいえ疲労も増えるために、一般的には7㎏程度で、いやそれでも長時間になると実に堪える。
競技は予選で勝ち抜いた上位8名による決勝方式で、中継はこの決勝を伝えている。
という事で、次回につづく
⇒オリンピックの生中継でライフル射撃を見た(2)
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