米国がアフガンに置いてきてタリバンが入手した兵器とは?<5>

9月 5, 2021 0 投稿者: B_Otaku

 

今回は残る固定翼機について纏める。

・C-130 Transports (輸送機):4機
言わずと知れた米軍の代表的戦術輸送機であり、西側諸国を中心に69ヵ国で使用されている。日本の自衛隊も今回のアフガンでの邦人救出作戦には2機のC-130を派遣し、隣国のパキスタンで待機していた事でも知られている。結局出番は無かったが(泣

・Embraer EMB J14/A29 Super Tucano:23機
Embraer EMBはブラジルの航空機メーカー、エンブライエル社が開発した単発ターボフロップの軽攻撃機で、単座のA-29と複座のAT-29がある。米国空軍がアフガニスタンへの軽航空支援(LAS)計画で供与したもので、米国内で最終組み立てが行われた。要するに米軍というよりも、アフガン正規軍の所属という事だろう。

アフガンのような山岳地帯でのゲリラ戦では低速で安定するプロペラ機の使い道は多いかもしれない。

・Sessna 208:28機
セスナ(Sessna)といえば自家用軽飛行機の代名詞だが、この208は単発プロペラ機とはいえターボフロップ機であり、サイズはセスナとしては大きく、10座席の機体として開発されている。

・Sessna AC208 Strike aircraft(打撃戦闘機):10機
上記のセスナ208をベースに軍用攻撃機として改造されたのがAC208で、対戦車ミサイルの運用ができる為、アフガンと共にレバノンやイラクでも採用されている。

固定翼機についても、殆どがアフガン政府軍の所有機をタリバンが接収したと思われ、米軍の機体は既に国外に退避したのだろう。

結局、米軍の置き去りにした7兆円分とも言われている兵器群は、殆どが陸戦用の装甲車や軍用トラックなどだった。さらに小銃などの小火器も多くが残され、タリバンのような陸上のゲリラ戦で使うには実に有用な武器を残した事になる。

これだけの武器を装備したタリバンは中共にとっても脅威だろう。今は友好な関係のようにも見えるが、いやいや、何時タリバンが中共に攻め込むかは何とも言えないし、その為に米国はワザとゲリラ戦に使える武器を残した、とも考えられる。

中共としても一帯一路を完成させるにはアフガニスタンを手中に入れる事が絶対に必要であり、言い換えれば米国はそんな事を許す筈も無く、まあ狐と狸の化かし合い、というところだろう。

しかもアフガニスタンは米国もソ連も英国も、そして古くはアレクサンダー大王まで遡ってこの国の支配者が入れ替わっていたのだから、今更中共がどうにか出来るものでも無い。

それにしても、この大量の兵器を使ったタリバンが、中共の占拠しているウイグル自治区でゲリラ戦を行う状況になるのは、実に楽しみだ。

タリバンはん、たのんまっせぇ(笑